その214 ”いえ”の教会

2020.01.19

“いえ”の教会 

ローマ人への手紙 16章3-11節

新約聖書には、当時の教会の様子をうかがい知ることのできる情報が至るところにあります。そこには今のキリスト教会と同じ姿もあれば、少し違うところもあります。

1、キリスト教は偉大な信徒による草の根運動です。

 プリスカとアクラはコリントで、パウロの伝道を通して救われ、その後エペソでアポロを指導し、この手紙によるとローマに戻り伝道の働きをしていることが分かります。彼らは信徒としてパウロを支え、教会を建てあげていました。この夫妻だけでなく、この16章に名前が出てくる人々はすべて、パウロの良き支援者であり、同労者でした。つまり生まれたばかりの教会は一握りの使徒だけが神の働きをしていたのではなく、その働きを通して信じたすべての人が、この働きに加わっていたのです。

 その鍵は何かと言うと、聖霊です。「聖霊に満たされた者は神の言葉を語る」という真理に突き動かされた人々が、時には自分の命も顧みずに、福音を伝えて回ったのでした。

 私たち現代のクリスチャンにも、同じDNAが備えられているはずです。何故なら同じ聖霊が、今も働かれているからです。福音を家族、友人、知人に伝えるという使命は、特定の一握りの者ではなく、信じて救われたすべての人に与えられています。聖霊に満たされることを求め、この良き知らせを伝える者となることを望みましょう。

2、伝道の拠点はいえでした。

 古代ローマ帝国において、キリスト教固有の“教会堂”は存在しませんでした。彼らは自分の家を伝道の拠点にしていたのです。少なくともローマの中心部における「家の教会」は、風呂もトイレもない六畳一間に6-7人の家族が住んでいるというイメージです。そこに招いたり、招かれたりしながら彼らは福音を分かち合い、生き生きとした神の共同体を形成していったのでした。

現代の私たちにも、家族、友人、知人を気軽に誘えるような集まりが必要です。互いに悩みを分かち合い、励ましあい、祈り合う信者の姿に、惹きつけられてゆく多くの人々がいることでしょう。そこに聖霊が働かれ、大きな奇跡が起こることを期待しましょう。

このような初代教会のDNAをしっかりと受け継ぎ、大きな迫害をものともせずに急成長していった姿を取り戻すために、私たちは日々イエス様とつながっていることが必要です。イエス様から離れては「あなたがたは何もすることができない」とはっきり言われています。キリスト自身としっかりと結びつき、日々聖霊の力を受けながら前進しなければ、私たちには何もできません。互いに励ましあいながら、力強く進む信仰者、教会となりましょう。

わたしはぶどうの木で、あなたがたは枝です。人がわたしにとどまり、わたしもその人の中にとどまっているなら、そういう人は多くの実を結びます。わたしを離れては、あなたがたは何もすることができないからです。ヨハネ15:5  

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