その144 賢い生き方

2017.08.06

モーセの生涯①

出エジプト1章1-22節

エジプトに移住したヤコブが死に、そしてヨセフも亡くなることで、創世記が終わりました。その後エジプトではヨセフのことを全く知らない王が出てきて、このエジプトに住む、よそ者があまりにも多いことに恐怖を感じるようになりました。王はイスラエル人を「賢く取り扱う」ことにします。

私たちが生きていく上で、賢く生きるというのは当然の願いです。聖書は人間が賢く生きるということは結局どういうことなのか、明らかにしています。

1、王の「賢い生き方」= 人を恐れる=力を使う

 王の行動の根底にはイスラエルに対する恐れがありました。彼はイスラエル人を苦しめることにしました。彼らを苦しめれば、きっと弱くなって、数が減るだろうと考えたのです。しかし「苦しめれば苦しめるほど、この民はますますふえ広がり」、今度はエジプト人全体がイスラエルを恐れるようになりました(12節)。そこで「過酷な労働を課」すことにし、彼らの生活を苦しめました(13-14節)。苦しめれば苦しめるほど、増えるイスラエルに対して、余計に苦しめようとしたわけです。しかし一向に弱まる気配がなく、とうとう最後には「男の子が生まれたらすぐに殺すように」という命令を出します。

このように王は力を行使することが、賢く生きることだと考えていました。自分の力で人を押さえつけて、怖がらせて、支配することが知恵だと考えていたのです。しかし神様の前ではそんな知恵は何の力もないことが、この後明らかになっていきます。

2、助産婦たちの「賢い生き方」=神を恐れる=信仰を使う。

 この助産婦たちは神を恐れることが賢い生き方だと知っていました。当時の人々にとっては王の命令は絶対です。生殺与奪の権威を王は持っていました。それに逆らうことは即ち自分の死を意味していました。しかし彼らは王よりももっと高いところにおられる方を知っていたのです。王の命令ではなく、神を畏れることが、彼らの行動を決定したのです。彼らは果敢に信仰の戦いをして、勝利しました。その結果どうなったでしょうか。「神は彼女たちの家を栄えさせた」(21節)とあります。

 私たちが真に恐れなければならないのは神であり、真に賢い生き方とは信仰を使うことです。

3、真の賢い生き方=神に使われる。

 この二人の信仰による行いが、イスラエル人の命を救い、2章のモーセの誕生につながります。モーセという偉大な指導者が生まれるために、二人の女性の信仰があったこと、神様がこの二人を用いられたことを聖書は明確に記録しているのです。「人を恐れる王」か「神を恐れる普通の人」の生きざまとその結果が対比されています。

 私たちの人生にも本当の「賢い生き方」が必要とされています。そのためには人を恐れるのではなく、神を恐れなければなりません。信仰によって生き、神様の計画のために使っていただくことこそが、「賢い生き方」、「祝福された人生」です。どんな人の人生にもそのような人生の可能性があります。人生の土台を神様に置きましょう。

【主】を恐れることは知識の初めである。  箴言1:7

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