その113 「過去からの解放」

2016.07.24

ヨハネの福音書4章1-26節

人間を縛り付けるものの一つは過去です。すべからく人間というものは、過去を背負って生きているものです。良い思い出もあれば、悪い思い出もあるでしょうが、この過去によって、思いも行動も縛り付けられている人が多いのです。

このサマリヤの女性もそんな一人でした。彼女の人生全体に過去が重くのしかかり、将来に対する希望も見出せなくなっていたのです。

1、問題は私たち自身の飢え渇きにある。

 イエス様はこの女性の根本的な問題は、喉が渇くことではなく、心の飢え渇きだということを見抜いていました。彼女は心の底から愛を求めていました。誰か自分を愛してくれる人、自分を無条件で受け入れてくれる人、自分のすべてを理解してくれる人を求めていたのです。

 私たちの身の回りでも、心が飢え渇き、本当の命、本当の安らぎを求めて、多くの人がさまよっています。しかし神によって造られた人間は、その神のもとに帰る以外に、本当の命の水を手に入れることはできないのだと聖書は教えているのです。これが聖書を教える罪です。罪とは人間のすべての苦しみの原因です。

2、イエス・キリストは人間の飢え渇きを癒すことができる。

 イエス様はこのサマリヤの女に「わたしが与える水は、その人のうちで泉となり、永遠のいのちへの水がわき出ます。」と言われました。これは人間本来が求めている、永遠の命への飢え渇き、自分が何者で、どこから来てどこに行くのかという存在そのものへの答が、イエス様ご自身にあるのですよということなのです。

イエス・キリストは言われました。「だれでも渇いているなら、わたしのもとに来て飲みなさい。わたしを信じる者は、聖書が言っているとおりに、その人の心の奥底から、生ける水の川が流れ出るようになる。ヨハネ7:37-8」 イエス様はあのサマリヤの女に声をかけられたように、今日ここにいる私たち一人ひとりにも、「だれでも渇いているなら、私のもとに来て飲みなさい」と呼んでくださっています。世の何ものも与えることのできない、平安、喜び、いのち、生き甲斐、力、解放を、私があなたに与えますと言ってくださっているのです。

3、私たちは過去から解放される。

 このやりとりをイエス様と交わした女はすぐにそれまで思っても見なかった行動に出ます。今まで人と顔を合わせないように避けて生活してきた彼女が、町へ行って人々にイエス様のことを知らせるのです。そしてその彼女の証言によって、多くの人がまたイエス様を信じたと書かれています。過去の鎖を断ち切られた女性が、また多くの人を解放する働きに用いられたのです。

 私たちを新しくする神、私たちに尽きることのない命の水を与えてくださる神、私たちを縛り付ける鎖を解き放ち、自由にする神、それが救い主イエス・キリストです。

だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。2コリント5:17

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする