その196 宝と祭司

2019.05.05

「宝と祭司」 モーセの生涯11

出エジプト記 19章1-8節

イスラエル人たちは旅を続け、シナイの荒野にはいりました。そこには山がありました。神様はモーセを呼ばれ、大切なことを言われました。5節、「もし、あなたがたが、まことに私の声に聞き従い、私の契約を守るなら、あなたがたはすべての国々の中にあって、わたしの宝となる」このことを伝えなさいと言うのです。8節を見ますと、民の長老たちは皆、「私たちは主が仰せられたことを、みな行います。」と宣言しました。そこで、モーセは山に上り、神様からの契約を受け取り始めます。この19章はその最初の場面が描かれているわけです。

1、 神を信じ、従う者たちは神様の宝となる。

 神様はご自身の言葉に聴き従う者たちを宝だと言われます。「宝である」ではなく「宝となる」と書いてある言い方に注目しましょう。神様の声に聴き従い、その約束を守るならば、神様にとっての「宝」となるのだと神様は言われたのです。この天地にあるものすべてを創造された神様から、「お前は宝だ。」と言われることは何という大きな栄誉でしょうか。イスラエルの民たちはこの後、度々神様を裏切り、離れてしまうのですが、神様の方は一貫して、イスラエルたちを「宝」として扱い、周囲の国々から大切に守り、導こうとされます。

 今私たちは、イエス・キリストの犠牲と赦しの十字架の愛を受け取ることによって神様の「宝」となっています。自分が自分をどう見るかは問題ではありません。神様の目からどのように見えているかが人生には重要です。神様は私たちを宝だと見ておられるのです。このめぐみと特権を信じていきましょう。

2、神を信じ従う者たちは祭司としての職務を与えられている。

 祭司とは具体的にどのようなことをする人でしょうか。大きく分けて二つ考えられます。一つは神様を愛し、仕えるということです。祭司はこれから与えられる律法に則って、特にレビ記を見ると分かりますが、儀式を行い神に仕えます。細かい規定もあり、特別な作法を必要とすることではありますが、その本質は決して儀式そのものにあるのではありません。大切なことは神様を愛して、仕えるということです。二つ目の役割は人々と神様を結びつけることです。本来神様から離れて苦しんで生きている人間が、しっかりと神様の前に立てるようにとりなすのが祭司の役割です。

祭司の使命を現代的に言い直すならば、神様を愛し、仕えること、これは主に礼拝することです。私たちは神様を礼拝するために召されています。二つ目は人を愛し、仕えること、これは祭司が人を神様を結びつけたように、私たちも滅び行く人たちを愛して伝道するということです。礼拝と伝道、この二つが、現代の祭司として召されたクリスチャンの使命であることが明らかにされているのです。 

 私たちも神様の宝としての自覚を持ち、御子イエス・キリストを十字架で死なせるほどに愛された愛を、改めて感謝しましょう。そして、神様の祭司としての役割、礼拝と伝道を通して、神様と人に仕えるクリスチャンとしてさらに前進していきましょう。

私たちすべてのために、ご自分の御子をさえ惜しまずに死に渡された方が、どうして、御子といっしょにすべてのものを、私たちに恵んでくださらないことがありましょう。ロマ8:32

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