その243 境界線を超える教会

2023/3/26 

使徒の働き10-12章 地の果てまで⑥

世界に福音が伝わるために、さまざまな壁が崩されなければなりませんでした。その壁は人の心のなかにありました。弟子たちの心には境界線があったのです。「神の救いはユダヤ人だけに与えられる」のだと。ペテロは神の導きによって、異邦人であったコルネリオの家に招かれ、キリストを宣べ伝えました。するとペンテコステの日と同じ出来事が起こったのです。神の愛と救いはユダヤ人の境界線を超えて、世界に拡がっていくのです。

1、福音宣教は神の霊の業

 御子キリストの十字架と復活を信じる信仰による救いを伝えるのは、最初から最後まで神ご自身の霊のわざです。すべての主権は神様にあります。そのためにまず、神様は人間の持っている思い込み、「こうでなければならない」「こうであるはずだ」という壁を壊して、ご自身の計画を進められます。コルネリオとその家族が、異言を語りはじめたことによって、ペテロと他の弟子たちは、明確に神の救いが異邦人にも拡げられていくことが分かったのです。

 神様は今も、私たちのなかにある思い込みや、自分で自分の限界を決めて動こうとしない心の壁を、打ち壊そうとされます。聖霊はまず私たちの心に働きかけ、ご自身の御業をはじめられるのです。聖霊がこれから私たちの人生と教会になさろうとすることに心を開きましょう。

2、福音宣教は人間に託されている使命

 人を救いに至らせる良き知らせを伝えることは、聖霊の業ですが、神様はあえてその使命を人間に託されます。8章では迫害によって散らされたピリポによって、サマリヤ人に福音が伝えられ、この10章ではペテロがコルネリオのところに遣わされました。また11章では、人々の口からユダヤ人以外の人々に福音が伝えられ、アンテオケでギリシャ人たちの教会が生まれた様子が描かれています。12章では捕らえられていたペテロが解放されるシーンが出てきます。すべて神の霊による業ですが、同時にすべて人を用いようとされる神の御心があらわされているのです。神様は福音宣教の業をあえて人間だけに託され、ご自身の霊によって動かし、地の果てまで宣べ伝えさせようとされるのです。

 私たち一人ひとりも、この神の計画のもとに生かされています。神様は今も、ご自身の霊を注ぎ、人を作り変え、宣教の働きを進めようとされているのです。そのために、まずは私たち自身の心にある壁が壊されるように求めましょう。聖霊の満たしによって、神様の働きがさまざまな境界線を越えて拡がっていくことを求めましょう。

人々はこれを聞いて沈黙し、「それでは、神は、いのちに至る悔い改めを異邦人にもお与えになったのだ」と言って、神をほめたたえた。   使徒11:18

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